テニス用のガットは種類が多すぎて何を選べば良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。ガットの知識をつけてしっかりと自分に合ったものを探せるようになればもっとテニスが楽しくなるはずです。
「早く上達したい」「もっと試合に勝てるようにしたい」と思っている方は本記事の内容を参考にして、自分に合ったガットをぜひ見つけてください。
この記事ではテニス用ガットの基礎知識(種類・太さ)やテニスガットの選び方をお伝えします。本記事を最後まで読んで、さらにテニスガットへの知識を深め、さらにテニスを楽しみましょう!
Contents
テニス用ガットの種類(素材)
テニス用ガットの種類・素材は主に以下の5種類あります。それぞれに耐久性や価格などの違いがあるのでしっかりと確認しましょう。
- ナチュラルストリング
- ポリストリング
- マルチストリング
- モノストリング
- ハイブリッドストリング
【ガットの種類比較】
耐久性 | 打感 | 使用レベル | 価格 | |
ナチュラルストリング | △ | 柔らかい | 中級〜上級者 | 高い |
ポリストリング | ◎ | 硬い | 初級〜上級者 | 平均 |
マルチストリング | △ | 柔らかい | 初級〜上級者 | やや高い |
モノストリング | ◯ | 硬い | 初級〜中級者 | 安い |
ハイブリッドストリング | ◯ | ※ガット次第 | 中級〜上級者 | ※ガット次第 |
※組み合わせるガットの種類による
使用目的やプレースタイルによってテニス用ガットの種類を選びましょう。
では1つずつ解説していきます。
ナチュラルストリング
「ナチュラルストリング」は天然素材(牛の腸)で、誰でも使いやすい万能型のガットです。希少性が高いため値段が高いですが、「ナチュラルストリング」はプロのほとんど使用しているため人気があります。初心者〜上級者のどんなプレースタイルの方にもマッチするガットです。
ポリストリング
「ポリストリング」はポリエステル素材となっており、硬く耐久性のあるガットです。スピン系のショットを打っても切れにくいため、耐久性を維持するために他の種類のガットと併用されることが多いです。スピン系のボールを打つプレイスタイルに合うガットです。
マルチストリング
「マルチストリング」はナイロン素材で、「ナチュラルストリング」に近い特徴があります。ボールを打つ度に系の繊維1本1本が伸縮するので、気持ち良いホールド感(打感)を味わうことができます。ボールの振動を吸収する特徴があるため、ボレーヤーにマッチします。
モノストリング
「モノストリング」の素材はナイロンです。打った時に回転がかけにくい点はあるものの、リーズナブルな点が大きな魅力です。まだあまりガットについて分からない初心者の方に「モノストリング」がおすすめです。
ハイブリッドストリング
「ハイブリッドストリング」は名前の通り、異なる2種類のガットを組み合わせます。異なる2種類のガットがパッケージ化されている商品もあれば、自分が好きな2種類のガットを組み合わせることも可能。ガットへの知識が必要なので、試合に出る競技者の方向けです。
テニス用ガットのストリングの太さについて
テニス用ガットは耐久性重視の「太いストリング」とスピン重視の「細いストリング」の分かれます。
一般的にポリストリングは1.25mmで、他のストリングは1.30mmの太さになっています。
さらに詳しく、「太いストリング」と「細いストリング」の違いについて見ていきましょう。
【ストリングの太さによる違い】
耐久性 | 打ちやすい球種 | 使用レベル | |
太いストリング | 高い(切れにくい) | フラット系ショット | 初級〜上級者 |
細いストリング | 低い(切れやすい) | スピン系ショット | 中級〜上級者 |
太いストリング(耐久性)
「太いストリング」は耐久性が高く、ガットが切れにくい特徴があります。細いストリングに比べるとボールが飛びにくい点がありますが、インパクトの時のホールド感が強いケース(商品)が多いです。
耐久性が高くガットが切れにくいため、初心者の方は「太いストリング」を選ぶと良いでしょう。
細いストリング(スピン)
「細いストリング」は耐久性が低い点がデメリットですが、スピンがかかりやすく、あまりパワーがなくてもボールが飛びやすい特徴があります。
サーブやストロークでスピンをかけやすいため、積極的に攻めるプレイをしたい方は「細いストリング」を使用すると良いでしょう。
テニスガットの張り方(ストリング)
テニスガットを張る際に、「テンションの決め方」「ガットを張り替える時期」「ガットを張ってもらえる場所」を把握しておく必要があります。
これらについて知っておけば、自分が狙ったところにボールを飛ばすことが可能になります。自分に合ったガットを使用すれば、1・2週間でガットが切れてお金を浪費する必要がありません。
逆にガットについての知識がないと、思うようにボールが飛ばなかったり、逆にボールが飛びすぎてしまいます。早く上達するためにもガットについての知識を深めましょう。
テンションの決め方
テンションの強さ(ポンド数)によってボールの飛びやすさや、スピンのかけやすさが異なります。以下の表をチェックしましょう。
ポンド数 | 打感(硬さや柔らかさ) |
45ポンド以下 | 柔らかい |
47ポンド | やや柔らかい |
50ポンド | 普通 |
52ポンド | やや硬い |
55ポンド以上 | 硬い |
低いテンションの特徴としては、柔らかい打感のためボールが飛びやすいという点が挙げられます。あまりパワーがない方や、スピンを多くかけたい方におすすめです。また柔らかいタッチでボールを触れるため、ボレーなどのネットプレーヤーにも最適となります。
一方で高いテンションの特徴は、硬い打感のためボールには飛びにくくなるという点や、フラット系のショットが打ちやすくなるということが挙げられます。ボールが飛びすぎることに悩んでいる方や、積極的にハードヒットする攻撃型のテニスをしたい方におすすめです。
ガットを張り替える時期
ガットは長くても3ヶ月〜半年に1回は張り替えましょう。ガットのポンド数は時間と共に数値が落ちていきます。つまり最初は「硬い」と感じていても、3ヶ月・半年と時間が経てば柔らかくなってしまいます。ガットの反発力がなくなってしまうと、ボールが飛ばなくなってしまったり怪我の原因にもなりかねないので注意しましょう。
テニスガットを張ってもらえる場所
テニスガットは主に以下3つの方法(場所)で張ってもらうことができます。
【テニスガットを張り替える場所】
- テニスショップ→自分でガットを選びたい方
- テニススクール→自分に合ったガットをコーチに教えてもらいたい方
- 器具を購入して自分で貼る→頻繁にガットを張り替えたい方
ウインザーなどの「テニスショップ」では、大量の商品から自分に合ったガットを選択できるため、新しいガットを選んで張り替えたい時におすすめです。
テニスラウンジなどの「テニススクール」では、自分がレッスンを受けているコーチから自分に合ったガットを紹介してもらえるのが魅力。初心者はテニススクールで張ってもらうのが無難でしょう。
器具を購入して自分でガットを貼る方法もあります。頻繁にガットを切ってしまう方や、ガットを張り替える費用を抑えたい方におすすめです。ただ、器具を購入するのに数万円〜数十万円の先行投資が必要なことを知っておきましょう。
また、ガットを張ってもらうことにこだわりたい方は、「張人(ガットドクター)」と呼ばれるプロが在籍するテニスショップに行くと良いでしょう。ガットの知識はもちろん、錦織選手などプロのテニスガットを張った経歴があるため安心して任せることができます。
テニス用ガットの選び方
では次にテニス用ガットの選び方について解説していきます。
テニス用ガットを選ぶ際は「値段」「ラケット」「打ちたい球種」「プレイススタイル」の4点について確認しておきましょう。
値段で選ぶ
ガットを選ぶ際は「値段」が1つの選択肢です。ガットは安いもので1つ1,000円程度の商品から、高いものでは1万円の商品まで幅広く存在します。
あまり頻繁にプレイしない方や、プレイスタイルにこだわりがない方であれば、リーズナブルなガットを選ぶのが良いでしょう。以下の表を参考にしてください。
ガットの種類 | 価格 |
ナチュラルストリング | 高い |
ポリストリング | 平均 |
マルチストリング | やや高い |
モノストリング | 安い |
ハイブリッドストリング | ※ガット次第 |
ラケットに合わせる
ラケットに合わせてガットを選ぶ方法もあります。
「厚ラケ」と言われるフレームの幅が広いタイプのラケットと、フェイスが大きいラケットによってそれぞれガットの選び方が異なります。以下の表を参考にして、ラケットに合わせることも検討してみてください。
ガットの種類 | 打感 |
ナチュラルストリング | 柔らかい |
ポリストリング | 硬い |
マルチストリング | 柔らかい |
モノストリング | 硬い |
ハイブリッドストリング | ※ガット次第 |
厚ラケは衝撃が強いので、柔らかいガットや振動を吸収するタイプのガットを選びましょう。硬いガットを選ぶと手首や肘を痛める危険があるので注意しましょう。
フェイスの広いラケットは、スウィートスポットが広いためボールがよく飛びます。さらにボールを飛ばしたい人は「細いガット」を選ぶと良いでしょう。
打ちたいボールに合わせる
自分が安定性を重視するなら「太いガット」を、スピン重視なら「細いガット」を選ぶと良いでしょう。ガットの種類によって自分が打つボールの質が大きく変わるため、打ちたいボールに合わせてガットを選んでみてください。
自分のプレイスタイルに合わせる
プレイスタイルによってガットを選ぶ方法もあります。「ハードヒット」して積極的にガンガン攻めたい人は「硬めのガット」を、スピン系のボールで相手を追い込んでチャンスを作りたい方は「細めのガット」がおすすめです。
初心者はナイロンがおすすめ
初心者は万能タイプの「ナイロン」素材のガットがおすすめです。まずはマルチストリンや、モノストリングから使用して、テニスの上達に合わせて他の種類のガットを選んでみてください。
ガットを変える時期と理由
ガットというのは永続的に使えるものではなく、定期的に交換する必要があります。
ガットの交換をしないまま使い続けているとけがの原因にもなってしまいます。
この章ではガットを変えた方がいい時期と変える理由について解説していきます。
賞味期限は3ヶ月
ガットの賞味期限は約3ヶ月です。3ヶ月以上同じガットを使い続けると、ガットが伸び切ってしまい反発力がなくなります。テニスボールが飛ばなくなった状態でボールを遠くに飛ばそうとすると、必要以上の負荷が腕にかかってしまいます。
ガットを変える理由
ガットの反発力がない状態でテニスボールを打つと「テニス肘」の原因にもなり、思うようなショットを打てなくなるので注意しましょう。
また反発力のないガットで無理にボールを打つと、打ち方がおかしくなります。本来であればしなやかなフォームでボールが飛ぶはずなのに、無理に打とうとすると徐々に打ち方が変になるのです。
ガットを張り替えずに放置すると自分がしたいプレーができなくなり、腕を痛めてしまう原因にもなるため、定期的に張り替えましょう。
まとめ:テニスガットを試して自分に合ったものを探そう!
上達するためにも、自分の得意なプレーをするためにもテニスのガット選びはとても大事なポイントになります。選ぶガットによって自分のプレースタイルが変わることもあるので、ぜひ複数のガットを使用してみてください。
またガットの交換時期などについてのしっかりとした知識をつけておくことで、けがの予防にもなります。
もしテニスガットで悩むようでしたら、本記事でご紹介した初心者向けガットを使用してみましょう。